経済・政治・国際

2010年11月11日 (木)

尖閣諸島漁船衝突ビデオ流出

現職海上保安官(巡視船乗組員)が、「自分が流出させた」と名乗り出たという。
母校の先輩筋の中には、海上保安官になった方が数名ほどいらっしゃいますが、
その先輩らの言葉を借りれば、「板子一枚下は地獄」とは船乗りの言葉。
これは海の危険性を語ったものです。

海上保安官は、領海侵犯船に対しては、場合によっては
命がけで警告を行い、領海外への退去を求めます。
現に、数年前だったか、日本海では銃撃してきた不審船があった。
先の尖閣諸島では、漁船が、明らかに 
「行き会う二船間の衝突防止のための国際的な取り決め」
に反して体当たりしてきた。

そんな現場の職員にしてみれば
「命がけで領海警備に当たっている俺たちの苦労を無にするのか」
という思いは強いはず。

それなのに処分保留だとかで中国人船長を釈放してしまったのでは、現場では
「せっかく身柄確保したのに、やっていられるか」と思う方が続出するのは当然だと思う。

国によっては件の漁船船長の釈放は絶対にあり得ない。
客観的に考えて、レアアース対日輸出差し止め、フジタ社員の拘束などに臆しての
釈放であったとしか思えない。

今の民主党内閣の主要閣僚、民主党トップ連中は、
自民党政権が同じことをしでかしたら執拗に責任問題を問い、内閣総辞職を迫るはず。

しからば、菅総理、仙石官房長官の対処法は自ずと限られてくるだろう。
画像データは機密扱いだというけど、どう人選したのか、一部の国会議員が閲覧した
段階で機密ではない。

国民の多数が「真実が知りたい」。そういう背景があったからこその流出は、
義憤に駆られた行動の結果であったと思う。

無論 国家公務員としての守秘義務に抵触することは否定できない。
しかし「機密又はそれに準じたもの」でありながら「海上保安官ならだれでも閲覧可」
の状態だったというのはおかしい。

サーバーからの閲覧はID(ICカード内蔵身分証)とパスワードが必須だとしても、
研修用だ、教材用だと多数のDVDやUSBメモリーにコピーをしたという話もあるから、
情報管理のお粗末さも問題である。