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2021年9月

2021年9月30日 (木)

7MHz帯のFT8のQRGで日本同士は7,041kHzから7,030~7,040kHzにQSYできないかとIARU Reg.3からの要請が出た。

2021年9月20日から22日に、3年に一度のIARU-Region 3の総会がタイのアマチュア無線連盟の主催で行われました。
その会議で、日本(JARL)に宿題が出されたようです。それは、

「7MHz帯のFT8で、日本同士の交信は7,041kHzを使っているけど、7,037kHz付近にQSYできるか否か、
意見をまとめて2021年12月末までに返事をRegion3のBandplan Committeeに下さい。」

というものです。

原文は

Invite JARL to consider whether their 40m domestic FT8 channel can be moved to 7030-7040 kHz and
feedback to BPC by December 31st, 2021 for consideration on revision.

です。

詳細は下記URLにて。

https://www.iarur3conf2021.org/documents/

から

029 Bandplan Committee Report.docx (図表付きで解説あり)や 
WG-2 Report.docx(上記原文が在る)を参照してください。

私感ですが、
FT8が日本国内同士では7,041kHzになったのは、JT65が流行した時に7,041kHzが使われ出したことや、
その後のJT9では7,043kHzが使われたことや、
7,040kHzに居る M,F,Kなどをモールス符号で一秒毎に送信しているレタービーコンを避けたり、
7,035kHz付近にはRTTYが居ますから、FT8も7,041kHzになったと分析しています。

その観点では「7,037kHzへのQSY」の提案は、日本のバンドプラン告示やReg3での7,030~7,050kHzの実情を踏まえた
絶妙な選択だと思います。7,031kHzという案も在ります。

7,031kHzにQSYした場合はDFの上限が7,034kHz付近ですから、搬送波周波数7,035kHzに居るAFSKのRTTYとは、
概ね7,033~7,034kHzが重なり合いますので、FT8側が「DF 2,000Hz以上は極力使わない」などの配慮が
必要になってくるでしょう。

 

搬送波周波数7,035kHzでマーク周波数を2,125Hz、シフト幅を170Hzにすると、実際に発射されるのは
 
マーク時には7,035KHz - 2,125Hz = 7,032.875kHzになり、スペース時はさらに170Hz低い7,032.705Hzになります。
このため7,031kHzでFT8をDF 1,700Hz以上で出すと重なってしまう場合が在ります。
無線機によっては マーク周波数が7,035kHz(表示している周波数)にできる場合もありますし、
実際にRTTYが出てくる範囲を配慮しなければなりません。

 

7,037kHzだと、上限にレタービーコンが居ますからDFが2500以上だと影響が在りますし、
7,038.6kHzに居るWSPRと完全に競合します。

さらには、7,030~7,040kHzはCWでのDX通信ウインドウになっている点が在ります。

IARU Reg.3の要請に従って、JARLが10月~11月中に会員非会員を問わず意見を公募し、周波数委員会あたりで検討して
適切な回答を締め切りの大晦日までに提出していただければと思います。

 

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