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2017年6月18日 (日)

用語解説シリーズ 第81回目 微弱電波

電波法第4条第1号と、電波法施行規則第6条第1号に
微弱電波の規定が有ります。

以下の「実際に有った」状況について、違反行為とするか否かは
意見が分かれると思いますが、私見では「違反行為」です。

今年の社員総会で、以下の状況について、
「可能なら違反か違反では無いか回答せよ」と準備書面に記載しました。

主題は
『ドローンの映像送信機は「免許人所属の受信設備への一方送信」である。
アマチュア業務における「無線技術への興味からの技術的研究」
の観点では、
「免許人所属の受信設備への一方送信」は、
アマチュア業務に当てはまる範囲では容認するべきである。

ここで、この一方送信においては、以下のような行為が行われた実例があるので、
ガイドラインを策定しないと目的外通信を誘発しかねない。
それを参考にした上で、
「アマチュア業務における一方送信の是非、どういう状況なら
容認できると考えるかについてのJARLの見解」
について回答を求めます。』

というものです。
準備書面とは文面を変えていますが、趣旨は同じです。

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1:実施団体にとっては、オリンピック競技やワールドカップ級の
  大きな国際的な行事であった。
  (実施団体、実施時期は判っていますがここでは秘匿します)

2:出場する出演者に受令機(144.**MHz の当時のバンドプランで
  F3Eが可能な2波を実装)を配布し、
  指示の送信には、当時の微弱電波基準に合わせた
  アマチュア無線機を使用したと実施団体は言う。

3:2を発案したのは実施団体の者でアマチュア無線を長年楽しんでいる者複数名。
  発案者の実名、当時の居住地も市区レベルで把握していますが、
  ここでは秘匿します。
  この行事に関するその団体のの記念誌には実名が書かれています。
  (国会図書館で閲覧可能な、一般市販された書籍です)

4:最大通信距離は150mから200mほどとされました。

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私が「違反行為」と考える理由。

1:アマチュア無線には「QRP」というカテゴリが有る。

2:アマチュア局の無線設備の空中線電力の許容偏差には下限が無い。

3:1と2から、QRP愛好家の中には、「微弱電波」になる範囲で
  どこまで通信ができるか挑戦している方がいる。

  微弱電波は電界強度で規定されていますが、
  自局の送信設備の送信アンテナの利得等によりますが、
  マイクロワットオーダーなどの送信出力で、
  計算上でも実測値でも微弱電波になる状況で
  通信距離に挑戦しているケースが有ります。

4:免許を受けていないアマチュア無線機を使う場合でも、
  発案者にはアマチュア無線の知識があることを踏まえれば、
  使用場所を考慮すれば、障害物が一定範囲には無い場所なので
  想定外に遠距離まで届くことを考えなかったことはあり得ない。
  
  さらには、どうやって微弱電波しか出ないように改造したのか、
  微弱電波であることを確認したのかという疑念がある。

5:一方送信を容認する前提でも、行事での演技に関する連絡
  となれば、それはアマチュア業務の範囲とはならない。
  (JARLが定めた「監査指導規定」に
  「アマチュア業務に該当しない通信の例示」が有った頃の
  例示を参考にしています)

1~3を考えれば、「免許を受けたアマチュア無線機」から
微弱電波で演技内容を一方送信する行為は違反である。

4についても、実際に微弱電波であったとしても、
なぜアマチュアバンドを使ったのか?という疑問が在る。
微弱電波で送信していても八木アンテナスタックを使用している局が
行事実施場所に方向を向ければ、十km以上離れた場所でも
一方送信を受信できた可能性が在る。
アマチュア局の免許を受けている方なら、それを考えなかったのは
変である。

5に付いては言うまでも無いでしょう。

上記の観点から、私見ですが、
アマチュアバンド内での微弱電波での一方送信は、
送信内容がアマチュア業務に該当しないならば違反行為である
と考えています。

「アマチュア業務に該当するとして容認するべきケース」を
JARLがどう考えているのか、興味があります。

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