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2016年7月 4日 (月)

アマチュア局流包括免許についての考察。

電波法令上で「包括免許」というと、携帯電話の端末等に適用
される「包括免許」を指します。

アマチュア局はその特性上、各自の操作範囲内において
自由にできるのが理想なわけで、これをここでは
「アマチュア局流包括免許」と書かせていただきます。

1:アマチュア局流包括免許とは、コールサインと有効期限、
免許人の住所のみを指定した無線局免許状を発給し、
周波数、電波型式、空中線電力は免許人の所持資格内
ならば自由というものである。
  現在の米国FCCの免許等、そういう型式の国のほうが多い。

2:平成28年6月26日の(一社)日本アマチュア無線連盟 
第5回社員総会でなされたJARLからの回答では、以下の理由により困難だという。

  つい最近,総務省から,あまりいい返事ではないが回答があった:
  (1) 無線局の定義から個々の無線設備を監督官庁が把握することは必要.

  (2) (1)により、届け出を不要にすることはできない.

  (3) ほかの無線局との整合が取れない.

  (4) 「アマチュア無線だけを特別な免許体系にする」ことは現行電波法の
    体系からは難しい.

  (5) 不法・違法局と思われる無線局が出た場合に、該当する設備を持っている
    局が出現場所付近にあるか否かは電波監理上重要である。

3:以下 私見ですが、多くの監査指導委員もしくは電波適正利用推進員
  (アマチュア局経験者)は同じ回答をすると思われます。

  (1)アマチュア局の特殊性を考えれば、関連法令を変更すれば良い。
    ハードルは高いが、JARLは、その先頭に立つべき存在である。
  
  (2) 現在のアマチュア局の免許手続き上は、保証認定を受ける場合は 
    TSSもしくはJARDによる工事設計書の机上チェック受け、
    (実機確認になる場合が有り得ます。「三アマ25ワット」の時に私は経験が
    有ります)
    その後は各総合通信局(沖縄総合通信事務所含む。以下
    「各総合通信局」とする)の免許担当官によるチェックを受けた後に
    無線局免許が発給される。

  (3) 保証認定を受けず、技術基準適合証明機器のみで、空中線電力200ワット以下
    の場合は各総合通信局の免許担当官が書類をチェックし免許を発給する。
    空中線電力200ワット超の場合は登録点検事業者の検査員(点検員)もしくは
    各総合通信局の検査官による落成検査を受け、合格すれば、
    各総合通信局の免許担当官が書類をチェックし無線局免許が発給される。

  (4) 「アマチュア局流包括免許」の元では、(2)(3)は不要になるわけで、
    当然 その分免許人の管理責任、機能維持義務、保守管理義務は、現行方式
    よりも重くなる。
    たとえば、工事設計書の記載不備などで工事設計書の訂正を行う例は少なくないが、
    (2)(3)が無くなれば、全ては免許人の責任になるのである。

  (5) 無論 現行方式でも、無線局免許が発給された以後の管理責任、機能維持義務、
    保守管理義務はある。
    違いは『「使用設備が問題無いか」の第三者によるチェックの有無』であるので、
    「責任が重くなる部分」は「使用する設備に関しての責任が、より重くなる」
    ということになります。
   
4:アマチュア局流包括免許に向けて

  保証認定制度開始時の折衝を参考にして、アマチュア局の特殊性を踏まえて
  辛抱強く折衝するしか無いと思います。それには、

  (1) マチュア局側がやらなければならないことの周知(これはJARLやJAIA、JARDがやるべき)
    少なくとも、現行の電波法令に基づく手続きには忠実でなければならない。

  (2) 現行の電波法令の改正するべき箇所の提案。
    無線局免許手続き規則と、それに基づく告示、および審査基準を含みますが、
    これもJARLがアマチュア局免許人から意見を取りまとめて提出するべきでしょう。

  (現にバンドプラン告示の改正時には、総務省と折衝しているわけですから。)

  アマチュア局免許人目線、JARL目線、総務省目線からの落としどころはあるはずです。


既に海外とのいわゆる「相互運用協定」などを担当する委員会が
JARLに存在します。

たとえば、「国際問題検討委員会」の中の「CEPT相互運用に関する分科会」
が該当します。この分科会メンバーと協調していくべきでしょう。

http://www.jarl.org/Japanese/4_jarl/4-1_Soshiki/Iincho.htm

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