« 関東総合通信局報道資料 重要無線通信妨害 | トップページ | 今週は不法局取締ラッシュ。 »

2015年10月28日 (水)

用語解説シリーズ 75回目 「免許状と免許証票の扱い 法規定と現場の運用」

無線局免許状、無線局免許証票の扱いについては
四アマでも重要箇所の一つなので、きちんと理解しておきたい部分です。

思うに『「法的にはどうなのか」と「総合通信局での実運用」の違い』
に戸惑いが有る場合も少なくないようですので、列記してみます。

1 法的にはどうなのか。

1.1  無線局免許状

無線局免許状は、主たる送信機が有る場所に掲示する。
但し、掲示困難な場合は、提示を求められた際に直ちに提示できるように、
たとえば机の引き出しに収納しておけばよい。
(電波法施行規則第38条第2項の規定に依る)

1.2  無線局免許証票

「移動するアマチュア局」は、その送信機が有る場所に備え付けておき、
対応する無線局免許状は無線設備の常置場所に備え付ける。
(電波法施行規則第38条第3項に依る)

1.3  「移動するアマチュア局」の送信機増設、取替

取替または増設した送信機に対応する無線局免許証票が発給される
までは、その送信機では送信できない。
(電波法施行規則第38条第3項に依る)

2 実際の運用ではどうなのか。

各総合通信局(沖縄総合通信事務所)、および担当官により見解が変わる
場合があるので注意が必要です。
(総合通信局に問い合わせをすると「法的にはどう有るべきか」で回答する
場合と「実際の運用では、どう対応しているか」で回答する場合が有ります。)

2.1 無線局免許状

移動するアマチュア局にたいして、状況により携行を容認している例が有る。

2.2 無線局免許証票

シールになっているので、無線機の適切な場所に貼るのがベスト。
(関東総合通信局のQ&Aに該当記述が有ります。

車載の場合は無線機に貼らずに車検証と一緒にしておくのも可。
(電波法施行規則第38条第3項に依り「送信装置がある車両に備
え付けておく」ことでOK.。船舶や航空機でも同様。)

2.3 移動するアマチュア局の送信機増設または取替の場合

取替または増設した送信機に関する申請(届出)が
「許可を要しない工事設計の軽微な事項」という告示に該当する場合は、
「申請(届)書類を総合通信局(事務所)宛に投函し、
「申請(届出)が受理され、対応する送信機の無線局免許証票が
交付されるまでの間は、無線局免許状を携帯することを容認する例が
有ります。
(TSSまたはJARD経由の場合でも容認してくれる場合が有る。)

簡潔に言えば

「一括記載コードに変更が無い範囲ならば、無線局免許証票が届く
までは対応する無線局免許状を携行することで無線局免許を受けて
いる事が判るから、一時的に免許状携行は容認する。その送信機の
証票が届いたら、その証票を携行すれば良い」

となります。

これは、

(1) かつては「無線局免許証票」がアマチュア局には無かった。
  このときは「届」として提出できる場合は、投函した時点で、
  指定事項に変更が無い部分は運用OKだった。
  (新規追加する電波型式、周波数帯、変更する空中線電力は
  変更後の無線局免許状が届いてからでないとダメ)

(2) 「入手したら直ぐに使いたい」というアマチュア無線家の心理を
  考慮している。

ことからの「アマチュア局免許人の便宜のため」の運用でしょう。

2.4 電波検問(不法局摘発)

通常の「電波検問」は、総合通信局職員と検問設置場所を管轄する
警察暑(近隣警察暑含む)の警察官(海上では海上保安官)が共同
で行いますが、地域によっては警察暑単独で実施する場合が有ります。

この場合、停車させられたあと、無線局免許状と無線従事者免許証の
提示を求められるケースが多いので、検問をスムースに行えるように
無線局免許状の携行を容認する場合が有ります。

「電波法施行規則第38条第3項」の規定を警察官や海上保安官が認識
していない場合は、無線局免許証票が有っても無線局免許状の提示を
要求する場合が有ります。

さらには車両にコールサインを表示している場合や実際に通信を
受信した場合に於いて、そのコールサインが正当に本人のものかは
無線局免許状を確認するか、総合通信局(事務所)に問い合わせて、
無線局免許情報を照会しないかぎり判りません。

たとえば、総合通信局職員が立ち会う場合には、総合通信局の官用車
に搭載のパソコンで免許情報をリアルタイムで検索することができま
すが、警察暑単独だと、都度関東だと陸上第三課に問い合わせる手間
が有ります。

このとき、無線局免許状原本またはコピー、無線従事者免許証、運転
免許証を提示することで本人確認と搭載無線機が合法であることが確
認できれば、検問実施がスムースに行きます。

現に都内でも6月3日に江東区で実施された検問を報じる動画でも
「無線局免許状と無線従事者免許証を提示した運転手」は
「ご協力ありがとうございました」と直ぐに放免しているという部分
が在ります。

そんなことから、無線局免許状の原本携行を容認する場合が有ります。
また、「無線局免許状のコピーを車検証と一緒にしておく。無線局
免許証票は無線機に貼っておく」という方が時々いらっしゃいますが、
その方の中には実際に免許状の提示を求められた経験がある方が
いらっしゃいます。

この例に限らず、各種無線局の目的を踏まえ、免許人の便宜のために、
「大岡裁き」的な運用をしている例はいくつもあります。

「免許状携行」に関しては、人事異動で担当官が変わったりした場合に、
扱いが変わり「施行規則通りにしなければならない」と言われるように
なる可能性もあります。

###

以上から、

「アマチュア局の免許状と証票の扱い」に関する質問への回答は、
まずは「電波法施行規則第38条各項」の規定が最初になります。
その後に「免許状携行」という、一部の総合通信局の担当官の回答
(現場での運用)を補足することになります。

de JO1EUJ 髙橋 俊光
JARL東京都支部監査指導委員
東京都電波適正利用推進員協議会 会長

« 関東総合通信局報道資料 重要無線通信妨害 | トップページ | 今週は不法局取締ラッシュ。 »

アマチュア無線」カテゴリの記事