« 用語解説シリーズ 53回目 「微弱電波」 | トップページ | 電波適正利用推進員 追加募集 »

2014年1月19日 (日)

用語解説シリーズ 54回目 「移動するアマチュア局の免許状等」

JARLの各都道府県支部のホームページには
様々なアマチュア無線関連情報、関連法令情報が書かれています。

いくつかの支部のそれには致命的な誤記があります。

代表例です。
JARL某支部監査指導委員会の公式ホームページから。

############

監査指導委員会からのお知らせ

★移動運用時の注意(アマチュア無線局への警告!)

○移動運用を行う場合は、従事者免許証及び免許状(局免)携帯(義務)する。

〔参考までに〕
 ○免許状を取得し正規に運用していても、取り締まりを受けた
   場合、無線機が免許状に合致しているかチェックされること
   があります。

 ○従事者免許証、免許状を携帯しなかった場合や無線機に
   「無線局免許証票」(シール)を貼ってない場合

   無線設備は一時的に司法預かりとなることがあります。
   後日、免許状を提出することで無線設備は返還されますが、   
   大変時間がかかります。

 ○シールを貼ってあれば免許状所持の義務はありませんが、
   検問に遭遇した時、局免を所持していた方がスムーズに
   進みます。

 ○シールを貼っていても出力検査を受けることがありますので、
   日頃から適正な運用に心掛けて下さい。

###########

上記の赤字部分「免許状の携帯」は誤り(違法行為)です。
青字部分(無線局免許証票は無線機に貼ることを示唆)は解釈の誤り
があります。

アマチュア局が移動運用を行う場合は、
そのアマチュア局を操作できる無線従事者免許証
携帯(必須)し、
無線局免許状は常置場所に置いておく(必須)。
その無線局免許状に対応する無線局免許証票は
「法令上は送信機が有る場所に備え付けておく(必須)」のですが、
実情としては送信機に貼っておくか、携帯していれば良いのです。



以下その理由です。
電波法施行規則第38条第3項の規定は

「移動するアマチュア局」は無線局免許状は常置場所に備え付け、
常置場所から持ち出してはいけない。

無線局免許証票は送信装置が有る場所に備え付ける

と言う規定ですから

「アマチュア局が移動して運用するときには免許状(局免)を携帯(義務)する」は
電波法施行規則第38条第3項違反行為です。


すなわち

「○シールを貼ってあれば免許状所持の義務はありませんが、
検問に遭遇した時、局免を所持していた方がスムーズに進みます。」

は、この条文に違反する行為を奨励することになります。


移動するアマチュア局に発給される無線局免許証票
という
約15ミリ四方の赤いシールは、

1 法令(告示)上は「シールにする」という規定にはなっていない。

  総務大臣又は総合通信局長が発給する証票の様式等
  郵政省告示第76号
  最終改正 平成18年12月11日 総務省告示第645号

  では書式や色を定義しているだけですが
  「使用する免許人の便宜を考慮してシールにしている」
  と、総務省の関連部門の職員から
  「シールになっている理由」の説明を頂きました。
   

2 電波法施行規則第38条第3項では「送信機に貼れ」とは
  規定していない。
  「送信装置のある場所に備え付ける」のです。

3 この証票を備え付ければ無線局免許状を携帯しなくて良い。
  移動するアマチュア局が、この証票を備え付けていないならば
  電波法施行規則第38条第3項違反です。


以上から「証票は無線機に貼る」は必須ではありません。

実情としてハンディ機の場合は本体に貼るしかありませんが、
モービル機や固定機の場合は無線機本体に貼る必要は無く、
ラックマウントしている場合にはラックに貼っても良いのです。


たとえば
TORIO(現KENWOOD)のHR-9という9000シリーズ用
(30年近く前の機種ですが)のラックにTR-9000G、TR-9300、
TR-9500Gを格納した場合は、各送信機の操作部の脇の
HR-9のパネルに証票を貼っても良いのです。
移動運用時には証票も一緒に持って行かなければ
ならないので、この場合はHR-9ごと持って行かなければなりません。

自作ラック、市販ラック、市販机、自作机、他の無線機等での
場合も同様に、無線機が乗っている棚等にに証票を貼っても
良いのです。


自動車のモービル運用の場合は、コントロール部と本体が分かれる
セパレート型のモービル機の場合は、
自動車のインパネの運転操作の支障にならない場所に
コントロール部を設置すると思いますが、
その場合はコントローラ脇のインパネに貼っても良いのです。


もちろんセパレート型では無い場合でも同様です。

なおフロントガラスには、道交法の関係で無線局免許証票は貼れません。

要は無線局免許証票と対応する無線機が容易に同時に見える場
ならば、貼る場所はどこでも良いのです。

自動車の場合は

「貼る場所が無いから車検証と一緒にグローブボックスに証票がある」
という場合でも問題は在りません。

自宅等の棚、机の場合でも「普段は引き出しの中にしまってあるが、
提示要求があれば直ちに提示できる」場合には、
無線局免許状の掲示困難時の規定と同様にOKなのです、

実情では、移動するアマチュア局の送信機として工事設計書に
記載した送信機(無線機)本体に証票を貼っておけば、
移動運用先で備え付け忘れを防げることになります
が、
だからといって

「必ず無線機に貼れ」

 

と言うことは電波法施行規則第38条第3項の規定では誤りです。

参考
関東総合通信局のホームページから

http://www.soumu.go.jp/soutsu/kanto/ques/faq/faq/riyou.html#a1_15

Q1-15:
移動するアマチュア局の免許の際に発給される免許証票は
無線機に貼らなければならないのですか、
また、免許状はどこに保管すればよいのですか

A1-15:
移動する無線局に発給する免許証票は、移動する無線機
(送信装置のある場所)に備え付けることとなっております。
(アルゴスシステムの無線局を除く)

免許証票は、必ずしも無線機に貼る必要はありませんが、
備え付けることになっております。
(移動する無線局が免許を受けている証明となります。
証票はシールとなっているため、送信機ごとに貼っていただく
ことがベストです)

また、移動する無線局の免許状については、無線局の
常置場所(自宅等)に備え付けることとなっております。
(電波法施行規則第38条3項)

なお、無線局を運用する際には、必ず無線従事者の免許証を
携帯しなければならないこととなっております。
(電波法施行規則第38条9項)

###

本件、当該支部役員とコンタクト中です。

« 用語解説シリーズ 53回目 「微弱電波」 | トップページ | 電波適正利用推進員 追加募集 »

アマチュア無線」カテゴリの記事