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2013年7月12日 (金)

用語解説シリーズ 34回目 「通信の相手方」

無線局免許状では通信の相手方を指定しています。
アマチュア局の場合は「アマチュア局」ですが、
これは日本国内はもとより、国際電気通信連合憲章、同付属無線通信規則、
および各国の国内電波法令で正当に許可された「アマチュア業務を行う無線局」
が該当します。

一言で言えば「全世界の合法のアマチュア局」が通信相手ですので、
通信の相手をピンポイントで特定していません。

簡易業務無線、各種業務無線では、その業務を行うための範囲で特定されています。

基本的に 簡易業務無線では同一免許人所属の同一仕様の簡易無線局のみです。
各種業務無線でも免許人所属の同一目的の無線局のみです。
(たとえば、運送業者ならば同じ事業者内のみです)

一部に「本無線局が発射可能な設備」や「免許人所属の受信設備」という指定する
場合があります。

いわゆる「合法市民ラジオ」で不特定の局と交信が可能なのは、
かつて無線局免許状が必要だった時代には

 「免許人所属の受信設備」と「26MHz帯および27MHz帯の電波を使う簡易無線局」

 という指定をされたことからです。
これを踏襲しているのがデジタル簡易無線局のうち登録局です。

デジタル簡易無線局のうち免許局は同一免許人所属のデジタル簡易無線局間でしか
通信ができません。

おもしろいのは

放送局の場合は通信の相手方が「本無線局が発射する電波を受信可能な設備」。

JARLガイダンス局や電監規制局も「本無線局が発射する電波を受信可能な設備」。

となっています。

放送局の場合は当然として、JARLガイダンス局や電監規制局は、
この指定により、運用する周波数(免許されている周波数)帯により
合法アマチュア局、合法市民ラジオ局、合法パーソナル無線局は当然として、
いわゆる不法無線局も「通信の相手方」に含んでいることです。

言うまでも無く、電波法第52条により通信の相手方を逸脱する場合は、
逸脱した通信相手は免許を受けた無線局であるか、
電波法第4条により免許不要とされた無線局に限られます。

参考までに、通信相手が電波法第4条違反に該当する場合は、
多くの場合は「電波法第4条違反に該当する側」が 後日に事情聴取を受けています。

たとえば、冬山シーズンに、日本アルプス山域で遭難した登山隊が発した
救助要請に地元のアマチュア局が応じた場合、
登山隊側は誰もアマチュア局の免許を受けていなかった場合は、
救助されたあと、後日になってから、登山隊側は

「なぜ 無免許で無線機を持ち込んでいたのか」

について事情聴取されているそうです。

参考までに、
アマチュア無線機にダミーロードを付けて送信し、
いわゆる「漏れ電波」が届く範囲に居る、いわゆる「受令機」や「受信専用機」、
「アマチュア無線機」のどれか(送信する電波を受信可能な機能があるもの)を
持たせた者に一方的に指示を送る行為は、
アマチュア業務の本来の目的や通信の相手方を考慮すれば違法行為となります。

実例の一つとして、30年ほど前(昭和58年だったかな)に、
所沢方面にある巨大スポーツ施設(目の前にその施設名の駅が在る)を借り切って
「祭典」を開催した団体がありましたが、その祭典のイベントの一部(数百人、
ときに1000人以上の大人数でやる巨大人文字)に出演した方の宝物には

『「人文字」で使ったカラーパネル』と、『パネルの色を変える指示を受ける受令機』

があるそうです。
その受令機は、伝え聞くところでは 144.6*MHzあたりの2チャンネルを実装しており、
当時のJARL制定のバンドプランでもFMの区分とされていたところが有りました。

その団体が後に出した「公式記録の本」では「微弱電波を使ったから合法だ」とありますが、
正真正銘の微弱電波(適用法令は昭和57,58年当時の電波法令 特に無線設備規則)
でも送信機1台で巨大スポーツ施設全域に指示を届かすことができたかどうか
疑問を持っています。

当時、私は「人文字」に出演することが決まったローカル局から相談を受けたのですが、
私の当時の回答は

「アマチュア無線の本来の目的から言っても駄目、ダミーロードからの漏れ電波を使うと
しても、送信場所から少なくとも150m四方に満足いくレベルで指令を届かせられるのか
疑問が残るし、受令機に一方指示を送るのは送信側が正規のコールサインを言っても
通信の相手方違反」

と答えました。
(当時の私は、今の二総通および二陸技以上の無線従事者免許の取得を目指す者が
集まる某専門学校の学生でした)

その他の各種業務無線機でも同様の行為は違法行為です。

唯一合法と言えるのは、先に掲げた合法市民ラジオの無線局免許状のように
「免許人所属の受信設備」と記載がある無線局を使うか、
特定小電力無線機の一部にある、
送信機とセットで使う受信機として技術基準適合証明を受けたものを使うときに
限られます。

微弱電波機器の場合でも 電波法令で定める認証機関により認証を受けた機器か
それらと同等であることが証明されないかぎりは違法行為となり得ます。

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