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2012年11月

2012年11月24日 (土)

用語解説シリーズ 18回目 識別信号(呼出符号)の伝送

無線局の識別信号の送出については まずは無線局運用規則第十条で

「必ず送出すること」と

規定されています。

実際の送出方法は無線局運用規則で 呼び出し、応答、通信の手順で規定されています。

長時間の送信継続時の場合は無線局運用規則第三十条で規定され、
アマチュア局の場合は「一回の送信が10分以上継続した場合」に適用されます。

「いかなる場合でもコールサインの送信は10分に1回でいい」という主旨のことを
書いてある小冊子(どこの団体が作成したかは、あえて秘します。)が存在しますが、
その解釈は
間違っています。

放送局の場合はどうかというと無線局運用規則第百三十八条も適用されます。
百三十八条だけだと1時間に1回 放送局名とその識別信号を送信すれば良いのですが、
三十条も加味して、三十分ごとにアナウンスしている放送局が存在します。

無線局運用規則
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S25/S25F30901000017.html

2012年11月23日 (金)

条約、法令、告示の参照・親子関係

今日の一部の新聞記事で興味深い記述がありました。

http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/domestic/smoking/?1353652753

JTたばこ広告めぐり波紋 特賞「1000万円相当の金塊」はやりすぎ?!

この記事中で注目する部分は

このキャンペーンが、『世界保健機関(WHO)の総会で採択され、2005年2月に
発効した「たばこ規制枠組み条約(FCTC)」に違反しているのではないかという
指摘がある』

という部分と

近畿大学法学部の三柴丈典教授(産業保健法学)は「今回のキャンペーンが
販売促進の規制を定めたFCTCの趣旨に反するのは明らかだ」と指摘する。
一方で、「条約などの条文は一部を見るのではなく、全文を見なければならない。
この条約が日本でどういう法的効力があるのかも考える必要がある」
という。

という部分です。

この

「条約などの条文は一部を見るのではなく、全文を見なければならない。」

は、当然ながら他の法令、条例、規則などにも適用されます。

規則の場合は根拠になる法律が存在しますから、根拠になる法律も正しく理解
しなければなりません。告示の場合も根拠になる法律や規則が存在します。

例を挙げるとしたら、アマチュア無線に関して誤認識しやすいのは

『電波法施行規則第三十三条の二 第二項』はアマチュア局には適用できない

という部分でしょう。

以前にもこのブログで解説しましたが、
http://jo1euj-tom.cocolog-nifty.com/blog/2012/07/post-f4e7.html
一部を再掲します。

1 『電波法施行規則第三十三条の二 第二項』は『電波法第三十九条』が根拠です。

2 『電波法第三十九条』は「アマチュア局を除く」と条文にあるのでアマチュア局には
  適用できません。

3 ということは『電波法第三十九条』が根拠の『電波法施行規則第三十三条の二 第二項』 
  はアマチュア局には適用できないのです。

4 別の観点から言うと、「電波法施行規則第三十三条の二 第二項」を適用する
  ためには無線局免許状の無線局の目的欄に「非常通信業務」の記載が必須です。

電波法施行規則第三十三条の二 第二項は
非常通信業務を行う場合であつて、無線従事者を無線設備の操作に充てることが
できないとき、又は主任無線従事者を無線設備の操作の監督に充てることができ
ないとき。

とあるので、この規則を適用する無線局には、その無線局免許状の
「無線局の目的」欄に「非常通信業務」の記載が必須であることが判ります。

この例以外にも 

「本来なら申請して許可されるまでは変更した無線設備を操作できない」のに
「軽微な事項として届け出のみで良い」とされている無線設備の変更等

が存在しますが、これもアマチュア局に適用される法律、規則、政令、告示を
細かく読んでいくと

原則は「いちいち申請して許可を受ける」のだけど、
「アマチュア局の場合は届け出のみで良い」という部分が有ることがわかります。

とはいっても、

付加装置付加や四アマから三アマ以上を取ったことによるA1A追加などの場合の
「発射可能な電波型式が変わる届出」の場合には、
新たに発射可能な電波型式が指定された無線局免許状が届くまでは
「追加した電波型式の発射」は不可能ですから、実態は申請と同じ扱いの「届」は
存在します。

今は 一括記載コードで一見すると発射可能な電波型式が判りませんが

実際には工事設計書に記載した送信機で発射可能な電波型式に限られる

のは言うまでもありません。

他にもいくつか。

今ではいわゆる「バンドプラン」は告示(本日現在 総務省告示第百七十九号)に
なっていますが、上位規則は「無線局運用規則第二百五十八号の二」です。

無線局運用規則の上位は当然電波法で、
特に第五章(第五十二条~第七十条の九)を補則するものになっています。

2012年11月22日 (木)

2012年内に10000アクセス突破成るか

2010年11月にこのブログを開設して2年が経ちました。

本日現在でアクセスカウンタが9300少々です。

私が免許人であるアマチュア局の識別信号の「JO1EUJ」で検索すると
このブログを容易に見つけ出すことができます。

ここをご覧になっている方は、私の識別信号で検索していらしているのでしょうか。

それとも アマチュア無線に関して何か調べ物をしていて、その検索結果からでしょうか。

巷ではSEOなるサービスがあるようですね。
yahooやGoogleなどでの検索結果で上位に表示されるようにHTMLを記述するのだそうです。

「検索結果で上位に出てきたものを見に行って資料にしたり買い物する方が多い」

ことからのサービスだそうです。 でも ちょっと待ってくださいね。

「検索で上位に表示されるならば記載内容が正確だ」

という保証はありません。
古い資料に基づいて書かれていたり、法改正されていて今では適用できない内容だったり、
中には明らかな誤りがある場合が有ります。

このブログで不定期に書いている法令や無線工学の用語解説は、
私が講習会講師や電波教室講師をするときの解説内容の備忘録を兼ねていますので、
法規関係は最新の法令集や告示集に基づいて、工学関係は学生時代の教科書や
手元の三、四アマ用参考書を元に書いています。

とはいうものの、記載ミスが皆無だという訳では無いと思うので、
明らかなミスが有る場合は、その部分と、ミスを修正するための参考資料を添えて、
そっと私宛にメールで連絡を頂ければ幸いです。

ペース的には年内に10000アクセスになりそうな予感です。
これからもよろしくおねがいいたします。

2012年11月17日 (土)

用語シリーズ 17回目 移動範囲

アマチュア局において、「移動する局」の場合は、かつては
無線局免許申請書のうち無線局事項書では「上空」「陸上」「海上」から
移動範囲を選択していました。

つまり

「移動しない」「陸上」「海上」「上空、陸上」「上空、海上」「陸上、海上」「陸上、海上、上空」

から選択する書式だった時代があります。(局免がコンピュータ印字になった最初の頃)

今は単純に「陸上、海上、上空を移動する」か「移動しない」かの二択です。

ここで、実際の交信を聞いていると、たまに出てくるのですが

道路の高架橋、特に河川に掛かる橋梁を車で移動中に

「****川上空移動」

という方がいらっしゃいます。この場合は、

「陸上の道路を移動している」わけですから「上空移動」というのは大間違いです。
(この主旨の記事は何年か前のCQ Hamradio誌にも載ったことがあります)

ときどき、自家用小型航空機や自家用ヘリコプターで上空移動をしている方が居ます。
この場合は「エアロ(ノーティカル)モービル」と言う方が多いようです。
アマチュア無線の世界で「エアロノーティカルモービル」というと、「航空機で移動中」を
指すのですが、国際電気通信連合憲章や同付属無線通信規則では

「航空移動業務」(電波法施行規則第三条第七号)

を指します。

航空無線通信士の無線従事者免許証の英文表記には

Aeronautical Mobile Service

という表記があるのですが、これは和訳すると「航空移動業務」となります。

アマチュア無線の場合は移動する場合の移動範囲を限定することは、
アマチュア無線の目的を考慮すれば相応しくありませんから、
今の局免の書式になったあたりから単純に移動するのかしないのかの二択になったようです。

たとえば、航空機に設置する場合で航空機の常置空港、常置場外離着陸場以外に
着陸しているときに運用するための移動範囲は?

を考えると、「上空」に加えて「陸上」も含んでいないと、「できない」からなのです。
だから、「上空だけ」の選択肢が無かったのです。

2012年11月11日 (日)

電池の日に寄せて

11月11日は「電池の日」なのだそうです。

「十一月十一日」と書くと 「+−+−」となるからだそうです。

最近は ハンディ機にも標準でリチウムイオン電池が付属していたり、
ニッケル水素電池などが付属している例が多くなりました。

正極(+)と負極(−)に使う金属のイオン化傾向などの差によって電圧が決まるので、
無線従事者養成課程講習会用教科書や電子工学関連参考書にもいくつか組み合わせが
載っているはずです。

私が今の四アマを取得したときは、乾電池、鉛蓄電池、ニッケルカドミウム電池くらいしか
載っていなかったのですが、最近は携帯電話や携帯音楽プレーヤ、小型ゲーム機では
リチウムイオン電池が主流なので、リチウムイオン電池の公称端子間電圧も必ず載って
いると言って良いでしょう。

電池を直列接続、並列接続したときの電圧と電流の関係は電源の章での重要アイテムです。

電圧は 直列にすればしただけ高くなるが電流容量は変わらない。

電流は 並列にすればしただけ多くの電流を取り出せるが直列時は容量は変わらない。

つまり

M(V)、N(A)の電池をP個直列に接続すると 電圧は P×M(V)だけど電流はN(A)しか取れない。

M(V)、N(A)の電池をP個並列に接続すると 電圧は M(V)のままだけど電流はN×P(A)を取り出せる。

各社から発売されている充電式電池は、電極の大きさ、電極の材料、電解液の内容などを
調節して必要な容量を作っている。

車のバッテリーは、メンテナンスフリーじゃないものは補水口が六個有るはず。
これは鉛蓄電池は1個あたり2Vなので、6個直列にして12Vにしている。
自動車用品店に行けばわかるように、大きさが様々なのがあるのは
取り出せる電流容量が違うから。

車の寒冷地仕様だとバッテリーが大きくなるのは外気温とバッテリーの発電能力の関係があるためです。

寒いと能力が下がるから。

などを踏まえて、参考書や講習会用教科書、各種問題集を読んでいただければ理解しやすいかな と思います。

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