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2012年7月14日 (土)

難解部分 解説シリーズ第一回 「非常通信、非常通信業務、非常の場合の無線通信」の違い

国家試験受験、講習会受講などで勉強していて難解であろうと思われる部分を

順次解説していこうと思います。

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紛らわしい用語シリーズ その一 

非常通信、非常通信業務、非常の場合の無線通信

まず、

(1) 「非常通信業務(電波法施行規則第三条十四号)」
(2) 「非常通信(電波法第五十二条第四号)」
(3) 「非常の場合の無線通信(電波法第七十四条)」

この3つは全く別物です。

アマチュア無線家の中には「非常時には無資格者でも運用してOK」と考えている方が居ますが、
これは「電波法施行規則第三十三条の二 第一項 第2号」を根拠にしているようです。

>>二 非常通信業務を行う場合であつて、無線従事者を無線設備の操作に充てることができないとき、
>>  又は主任無線従事者を無線設備の操作の監督に充てることができないとき。

ところが、上記の考えは誤りで、
「アマチュア局は非常時といえども無資格者の操作はできない」
のです。

以下 解説します。

1 「非常通信業務」を行うには、無線局(アマチュア局だけに限らず、すべての無線局が該当)免許状の
  「無線局の目的」の欄に

 

  「非常通信業務」

 

  の記載が必須です。

2  記載が無いのならば、無線局の種別にかかわらず、たとえ非常時といえども無資格者の操作
  (主任無線従事者の監督下に行う場合を除いて)違法です。
  記載がある無線局は実状として

  「非常局(電波法施行規則第四条二十一号)」

  だけです。

3 「非常通信業務」とは、

  「無線局が、本来の業務ではない(目的外通信である)非常通信を行うべき事態になった時に、
  『非常通信と同じ内容の通信を通常業務として行う』通信」

  をする業務をいいますし、

  「非常局」は電波法施行規則第四条二十一号により「非常通信業務のみを行う無線局」ですので
 いわゆる「プロの無線局」として「無線従事者選任届」により従事する無線従事者を届け出なければなりません。

  なお「非常通信業務」の場合には「有線通信(携帯電話含む)の状態」は問われませんが
  「非常通信」の場合は「有線通信が使えないか著しく困難であること」という条件があります。

4  非常局を運用するような事態になった場合には
   「その非常局に選任された無線従事者の到着を待つよりも、非常通信に該当する通信をすることが先」
  という発想から「電波法施行規則第三十三条の二 第二項」が規定されています。

5 「非常の場合の無線通信」は総務大臣の命令で行う通信で、
  その条件は『有線通信の状態を除いて「非常通信」で実施するものと同じ』ですが、
  無線従事者が直接行う場合と、主任無線従事者の監督の下で無資格者が行う場合
  以外では行うことが出来ません。

  また、「総務大臣がその必要があると判断したとき」には、アマチュア局でも命ぜられる
  場合が有りますが、アマチュア局に対して命令されたことは戦後の電波法令上ありません。

6  アマチュア局の場合はアマチュア業務を目的としてのみ開設することができます。
  (少し前まで、アマチュア局が行う月面反射通信やアマチュア業務用人工衛星を使う通信は
  「宇宙無線通信業務」とされていましたが、今はアマチュア業務の一つとされています)

  ですので、アマチュア局の無線局免許状の無線局の目的欄に

  「アマチュア業務」と「非常通信業務」

  が併記されている例はありません。
  「非常通信業務」の記載が認められるのは「本来ならば目的外通信で行うべき非常通信を
  通常業務として行う場合」であり、もっと判りやすく言うならば

  「非常通信を目的として開設する無線局」ならば、無線局の目的欄に「非常通信業務」
  が記載されます。

7 電波法施行規則第三十三条の二 第二項は
  電波法第三十九条(無線設備の操作)を受けて規定されています。
  ところが電波法第三十九条ではアマチュア局は除外されていますので、

 

  「電波法施行規則第三十三条の二 第二項」もアマチュア局には適用できない

 

  のです。

8 電波法第三十九条の十三(アマチュア無線局の無線設備の操作)により
  アマチュア局の操作は無線従事者(外国における類似資格で告示されたものを含む)でなければ
  行うことができません。
  主任無線従事者制度はアマチュア局には適用できません。
  唯一の例外は平成14年総務省告示第154号により、
  アリススクールコンタクトで国際宇宙ステーションとの交信で、
  「連絡設定、終了以外の通信に限り、プレストークスイッチのオンオフのみの限定」で
  アマチュア局を操作できる無線従事者資格を持たない小中学生が行うことができます。

  つまり「国際宇宙ステーションに滞在する、「アメリカのアマチュア局を操作できる資格を持つ宇宙飛行士」に
  質問を送話(送信)するためのプレストークスイッチのオンと、
  質問の送話(送信)終了時のプレストークスイッチオフの操作とその相互間の送話受話のみ」が無資格者でもできるのです。
  しかも正式に「アリススクールコンタクト」として認められ、かつ臨時に設置する社団局
  の無線設備に限られています。

9 参考

  電波法
  http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S25/S25HO131.html

  電波法施行規則
  http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S25/S25F30901000014.html

  アリススクールコンタクト
  http://www.jarl.or.jp/ariss/rinji.doc

  総務省資料
  http://www.tele.soumu.go.jp/resource/j/hijyo/2-3-2.pdf

 

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この件 関係各方面の意見をお伺いした上で、なるべく判りやすく書いたつもりです。

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