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2012年7月21日 (土)

難解用語シリーズ 3回目 「平衡変調器」

平衡変調器とはSSB送信機に特有のものです。

2個の入力端子のうち信号波入力端子から音声信号、
搬送波入力端子から搬送波を入力すると、

出力端子には搬送波が除去され、上下の側波帯成分のみが出てくる

というものです。

ここで、「平衡」とは バランスのことです。
平衡変調器は、このバランスが完全に取れていると理論通り搬送波成分は
出力されません。逆に故意にバランスを崩すと搬送波が漏れてきます。
(この性質を使ってCW送信をしている機種もあるくらいです)

アマチュア無線用参考書等に載っている平衡変調器の原理構成図を見てください。
(「リング変調器」として載っている場合が多い)
出力側トランスでは搬送波成分が逆位相と逆振幅になって打ち消されるのですが、
この位相と振幅のどちらかが完全に逆になっていないときは、
それに応じて搬送波成分が出力側に漏れてきます。

SSB送信機として使う場合には、出力側に必要な側波帯を通過させるフィルタを
取り付けますが、実際の機器には上側波帯、下側波帯とでは搬送波を3kHz
ずらしている場合があります。
CW送信時にはバランスを崩し、搬送波成分が出力されるようにして、
さらに搬送波周波数を出力側フィルタの中心周波数にしている場合があります。
そうすると フィルタが1個で済むからです。

なお 平衡変調器のうち「リング変調器」は原理上、SSB信号やCW信号の復調にも
使うことができます。

今ではIC化されていますが、20年くらい前は部品店に行くとリング変調器用に
特性が揃ったダイオードの4本セットが売られていたのです。

リング変調器の原理図を参考書等で見ていただければと思いますが、

入力側トランス、出力側トランスのセンタータップが完全にセンターであること。
ダイオード4本の特性が完全に一致していること。

これが両立しないと完全な平衡(バランス)は取れません。
このため、ダイオードメーカーで出荷時に製品のばらつきを測定して、
特性が揃った4本をセットにして売っていたのです。

このころは、もしリング変調器(復調器)が故障した場合、4本のダイオードのうち
1本だけ交換するということはせず、4本とも交換するのが理想だったのです。

というのは

『ダイオードの動作を数式で表すときの「数式」が4本とも揃っていないと、振幅や位相が揃わなくなる』

からです。
(数式については上級ハム用参考書、各級無線通信士用参考書、各級陸上無線技術士
用参考書を参照してください)

と余談は抜きにして、 三、四アマ、特殊無線技士レベルならば

(1) SSB送信機には平衡変調器が必ず在る。

(2) 平衡変調器の出力には搬送波成分は出てこない。

の二点を覚えていればいいでしょう

参考:上級ハムになる本
学生時代の教科書

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