« 電界・電場、磁界・磁場 科学の祭典全国大会 | トップページ | 難解用語シリーズ 4回目 振幅制限器 »

2012年7月22日 (日)

緊急避難行為と無線局の無資格操作

アマチュア局に限らず、「非常通信業務」を目的としない無線局において
無線従事者ではない者が単独で非常通信等を行うことは、
刑法に定める緊急避難行為に該当しない限り違法行為
だそうです。

刑法第37条(緊急避難)
自己又は他人の生命、身体、自由又は財産に対する現在の危難を避けるため、
やむを得ずにした行為は、これによって生じた害が避けようとした害の程度を超えなかった
場合に限り、罰しない。
ただし、その程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる。

2  前項の規定は、業務上特別の義務がある者には、適用しない。

無線局に関しては

1.正に人命を救う上で欠かせない緊急な内容の通信であること。
2.その無線局の無線設備以外に有効な通信手段が皆無であること。
3.その無線局の操作または操作の監督を行うことができる無線従事者を全く確保
 できないこと。

この三件が同時に満たされない限りは緊急避難行為は成立しないそうです。

当然ながら上記の「無線局」とは「免許を受けた無線局」であることが必須です。

「非常時に便利だから」と、「本来は免許を受けるべき無線機を免許を受けずに準備して
いる場合」は厳密には電波法第四条違反に問われることになります。

アマチュア無線に当てはめてみれば、

登山家がアマチュア無線用無線機を免許を受けず、無線従事者資格も持たずに
登山時に持ち歩き遭難時に使用して救助を要請した結果 救助された

というケースは非常に多いと思います。

この場合は刑法第37条の緊急避難行為に該当すると思われがちですが、少なくとも

なぜ 無免許、無資格でアマチュア無線機を持ち歩いていたのか

の事情聴取を登山家側は受けることになるでしょう。

四アマ以上の無線従事者免許を取得し、アマチュア無線局免許も受けて、
日頃から不特定多数のアマチュア局との交信を行っておけば、

登山家の皆さんが想定する「必要なとき」にも情報を的確に伝えることは
「ただ「いざというときに備えて持って歩いているだけ」よりも容易だと思います。

もちろん アマチュア無線の本来の意味、目的を踏まえれば

「いざというときの連絡用に資格を取り開局する」

は厳密には許されません。
せっかく 資格と局免を取ったのなら、日ごろから不特定多数との交信にも使って
無線機の操作や電波の飛び方に慣れておくべきだと思います。

なお、通信相手になった「正規のアマチュア局」側は
「電波法第五十二条第六号が指す電波法施行規則第三十七条第三十三号
(抜粋すると「人命の救助に関する急を要する通信(他の電気通信系統によつては、
 当該通信の目的を達することが困難である場合に限る。)に該当する
通信だから相手が無免許の不法局でも問題無い」と考える方が多いでしょうけど、
この条文の規定では『逸脱できる範囲は厳密には「正規に免許を受けた無線局」のみ』
ですが、『人命救助という緊急避難行為の観点から「無免許の不法無線局」が相手でも
準用されている』
のが実状のようです。

 

非常局が行う非常通信業務における無資格者による通信は電波法令
(電波法施行規則第三条十四号、電波法施行規則第三十三条の二 第二項)が
根拠になりますが、

 

電波法第五十二条による目的外通信での、「主任無線従事者制度が無い無線局での
無資格者による通信」と、
「誰が行うかにかかわらず(免許を受けていない)不法無線局が相手の通信」に
ついては刑法の緊急避難行為に該当するか否かはケース毎に関係当局
(総合通信局、裁判所、検察庁、警察署等)の判断が必要になるはずです。

 

刑法
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/M40/M40HO045.html

 

 

« 電界・電場、磁界・磁場 科学の祭典全国大会 | トップページ | 難解用語シリーズ 4回目 振幅制限器 »

アマチュア無線」カテゴリの記事

無料ブログはココログ

最近のコメント