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2012年7月

2012年7月31日 (火)

用語集 5回目 免許の取り消し、制限

電波法第七十五条は無線局免許の取り消し条件、第七十六条は無線局免許の制限条件、
第七十九条は無線従事差免許の取り消しまたは制限の条件が定められています。

時々で良いので各総合通信局の報道発表を見てください。
電波法令違反に対して、どう対応したかが書かれています。

最も多いのが電波法第四条違反による告発や行政指導ですが
電波法第五十二条、第五十三条、五十四条違反も見かけます。

日本ではプロの無線局場合は「無線局の免許人=無線従事者」ではないのが基本なので、
無線局の免許の処分と無線従事者免許の処分の二本立てになっています。

日本のアマチュア局の場合は 殆どの場合が

「アマチュア局の免許人=アマチュア局を操作できる無線従事者」

ですが、一部に『「外国のアマチュア局を操作できる免許」でのアマチュア局開設』なので
「日本の無線従事者免許を受けて無い」という場合も有ります。

ここで問題なのは 日本のアマチュア局の場合は 

「何らかの違反を犯してアマチュア局の運用停止処分を受けた場合」は、

無線従事者免許の停止も併科されることが多いことです。

たとえばトラック運転手グループが電波法令違反で告発されたとき、
その中に「アマチュア局の免許人」が居る場合は、その方はアマチュア局と
無線従事者免許の両方が停止処分を受けているはずです。
(実際にそういう報道資料もあります)

これは
「仲間に無線従事者免許と無線局免許を取得するよう指導するべきなのに、それを怠った」
あるいは
「『この周波数なら見つかりにくいよ』と入れ知恵した」
などが理由で

「確信犯、知っていてやったでしょ」

ということで、厳しい処分になるそうです。

たとえば「ミニFM」が流行っていた頃(20年くらい前だと思う)ですが、
「ミニFM」は微弱電波の範囲でやるべきものですが、これに関して「オーバーパワー」を
していた方が電波法第四条違反で対処されたことがあります。

たとえば とある方はアマチュア無線もしていました。
どうなったかというと、

「アマチュア無線の免許を持っているなら電波法令は知っているでしょ」

ということで、この方はアマチュア局の免許と無線従事者免許の両方を数十日
(法令で定められた上限三ヶ月にかなり近い)の停止処分を受けたそうです。
(たぶんググれば詳細は出てくるでしょう)

「不正な手段で免許を受けたとき」は不正な手段で受けた免許は取り消されます。
この実例もググれば出てきます。
(ヒント 「替え玉受験」)
過去の担当した総合通信局の報道資料にもまだ残っているでしょう。

あと こんな場合も無線従事者免許は停止処分を受けることになるはずです。

日本の四アマとアメリカのエキストラの両方を持っている方が、
「エキストラの資格で見なし一アマ」で日本でアマチュア局を開設していて、
なんらかの違反でアマチュア局の免許停止を受けた場合は、四アマの免許も停止される
場合が有ります。(まずまちがいなく停止されると思っていてください。)

四アマ合格後ステップアップした結果、アマチュア無線技士を四種全部受けている場合は
何らかの違反で無線従事者免許の停止を受ける場合は四種全部の停止処分を受ける可能性も
有ります。

だから
「プロ資格を持っている。その資格が必要な仕事もしている。 アマチュア局開設にはそのプロ資格は使っていない」
という場合は、
アマチュア局に関しての違反行為でアマチュア局の免許の処分を受けた際に、
そのプロの無線従事者資格もついでに停止された場合は停止期間中は無線従事者免許が
必要な仕事ができなくなります。

もちろん プロ資格でアマチュア局を開設している場合でアマチュア局に関する
違反行為でそのプロの無線従事者免許の停止処分を受けると、当然その免許が
必要な仕事をしている方は、仕事にも影響します。

逆の可能性も有り得ますよ。
プロ資格でプロ局の業務に従事中に違反した結果、無線従事者免許停止になった
場合は、そのプロ資格がアマチュア局の操作もできる場合は、その資格では
停止期間中はアマチュア局の操作ができません。
(もし アマチュア無線技士免許も「ついでに」停止されたならば停止された免許では無線設備の操作や監督ができません)

これは 自動車の運転免許が判りやすいですよね。
何種類かの自動車運転免許を受けている場合、たとえば普通車を運転中に交通違反を
犯して免許停止を受けてしまった場合は、もし、その方が二輪免許を受けていたり中型
以上の免許を受けているなどの場合は、停止期間中はすべての運転免許車両を運転できません。

無論、複数資格の無線従事者免許を受けている場合や複数の無線局の免許を
受けている場合は違反に関連した資格(無線局)だけ停止や取り消しになるか、
全部が対象になるかはケースバイケースです。
各総合通信局長や総務大臣の判断、裁判になった場合は裁判長の判断です。

ということですから、違反行為は決してしてはいけません。

2012年7月25日 (水)

携帯電話の電波が「劣化」?

新聞報道から

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20120724-00000502-sspa-soci

>>1、そもそも電波が届かない圏外にある
>>
>>都心では少ないが、山間部などでは圏内となっている地域でも場所によって、
>>電波が届かない状態にあることがある。ビルとビルの谷間などでも起きる。また、
>>鉄筋コンクリート造、防音サッシ、すりガラスの建物なども電波状況が悪化する。

いわゆる「赤外線遮断ガラス」も「通常のガラス」よりも電波を遮断する傾向にあります。
「金網入りガラス」はより顕著です。

>>2、電波を拾いすぎる
>>
>>1とは逆に電波を多く拾いすぎてしまっているパターン。周囲に電波を遮る高い建物など
>>がなく、多くの電波を拾いすぎてしまう。
>>受信状況が悪い電波、理由3の劣化した電波なども含まれおり、それらに電波が
>>切り替わってしまうと通話が途切れてしまう。

どこの基地局に繋いで良いのか判断に迷ってしまうのです。
僅かでも状態が良い基地局につなぎ替えようとする結果、
ハンドオーバー(基地局切り替え動作)が煩雑に起きることからくる弊害です。

>>3、劣化した電波を受信してしまう
>>
>>電波は届いているが、電波が劣化している場合もある。
>>周囲の建物や水辺に反射した電波は通常よりも長距離まで電波が届いてしまう。
>>しかし、その電波は劣化しており、通話が途切れたり、不完全なデータ通信が
>>起きたりしやすい。

専門知識が無い方には この表現で良いでしょう。

デジタル信号では反射波と直接波が干渉するとビットエラーレートが低下するのが
通常です。
反射波だけを受信している場合は反射の状況が変わると電界強度が変化することで
ビットエラーレートが低下するのですが、それらを総合して「劣化」という表現をしています。

デジタル方式の場合は

「同じ送信局から、複数経路で受信地点に到達した信号」

は時間差を持っていますから、その時間差を使って「より状態が良いほう」で復調します。

デジタルの復調は「同期」を取る必要が有るのですが、通常は一旦同期が取れれば
その信号が途切れるまではそのままというのが一般的ですが、
少しでも状態が良い信号が来た場合はその信号に同期を取り直しします。

この同期取り直しのときに、場合によっては 携帯電話類は「圏外」表示になります。

難解用語シリーズ 4回目 振幅制限器

振幅制限器はFM受信機に特有のものです。

FMとは周波数変調です。つまり振幅は一定なのです。

ですから電波伝搬の結果、振幅に変化があった状態では
周波数弁別器で復調するときに雑音が生じてしまいます。

このため 一定の入力範囲では振幅を揃えるのが振幅制限器です。

俗に「スケルチが途切れ途切れになる」のは、放送局から遠ざかったり、
交信相手から遠ざかったりした結果、中間周波数増幅器の出力が低下したため、
振幅制限器の出力が一定にならなくなり、周波数弁別器で復調した結果に
雑音が混じり始めたためスケルチ回路が動作し始めたからです。

振幅制限器はFM受信機には必ず在ります。

2012年7月22日 (日)

緊急避難行為と無線局の無資格操作

アマチュア局に限らず、「非常通信業務」を目的としない無線局において
無線従事者ではない者が単独で非常通信等を行うことは、
刑法に定める緊急避難行為に該当しない限り違法行為
だそうです。

刑法第37条(緊急避難)
自己又は他人の生命、身体、自由又は財産に対する現在の危難を避けるため、
やむを得ずにした行為は、これによって生じた害が避けようとした害の程度を超えなかった
場合に限り、罰しない。
ただし、その程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる。

 前項の規定は、業務上特別の義務がある者には、適用しない。

無線局に関しては

1.正に人命を救う上で欠かせない緊急な内容の通信であること。
2.その無線局の無線設備以外に有効な通信手段が皆無であること。
3.その無線局の操作または操作の監督を行うことができる無線従事者を全く確保できないこと。

この三件が同時に満たされない限りは緊急避難行為は成立しないそうです。

当然ながら上記の「無線局」とは「免許を受けた無線局」であることが必須です。

「非常時に便利だから」と、「本来は免許を受けるべき無線機を免許を受けずに準備している場合」は
厳密には電波法第四条違反に問われることになります。

アマチュア無線に当てはめてみれば、

登山家がアマチュア無線用無線機を免許を受けず、無線従事者資格も持たずに
登山時に持ち歩き遭難時に使用して救助を要請した結果 救助された

というケースは非常に多いと思います。

この場合は刑法第37条の緊急避難行為に該当すると思われがちですが、少なくとも

なぜ 無免許、無資格でアマチュア無線機を持ち歩いていたのか

の事情聴取を登山家側は受けることになるでしょう。

四アマ以上の無線従事者免許を取得し、アマチュア無線局免許も受けて、
日頃から不特定多数のアマチュア局との交信を行っておけば、

登山家の皆さんが想定する「必要ななとき」にも情報を的確に伝えることは
「ただ「いざというときに備えて持って歩いているだけ」よりも容易だと思います。

もちろん アマチュア無線の本来の意味、目的を踏まえれば

「いざというときの連絡用に資格を取り開局する」

は厳密には許されません。
せっかく 資格と局免を取ったのなら、日ごろから不特定多数との交信にも使って
無線機の操作や電波の飛び方に慣れておくべきだと思います。

なお、通信相手になった「正規のアマチュア局」側は
「電波法第五十二条第六号が指す電波法施行規則第三十七条第二十一号に該当する
通信だから相手が無免許の不法局でも問題無い」と考える方が多いでしょうけど、
この条文の規定では『逸脱できる範囲は厳密には「正規に免許を受けた無線局」のみ』
ですが、『人命救助という緊急避難行為の観点から「無免許の不法無線局」が相手でも
準用されている』
のが実状のようです。

非常局が行う非常通信業務における無資格者による通信は電波法令
(電波法施行規則第三条十四号、電波法施行規則第三十三条の二 第二項)が
根拠になりますが、

電波法第五十二条による目的外通信での、「主任無線従事者制度が無い無線局での
無資格者による通信」と、「誰が行うかにかかわらず(免許を受けていない)不法無線局が相手の通信」については
刑法の緊急避難行為に該当するか否かはケース毎に関係当局
(総合通信局、裁判所、検察庁、警察署等)の判断が必要になるはずです。

刑法
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/M40/M40HO045.html

2012年7月21日 (土)

電界・電場、磁界・磁場 科学の祭典全国大会

1年ほど前の記事です。
http://jo1euj-tom.cocolog-nifty.com/blog/2011/06/post-e237.html

http://jo1euj-tom.cocolog-nifty.com/blog/2011/07/post-a865.html

上記の記事は 実は JARL東京都支部が毎年出展している
「青少年のための科学の祭典 全国大会」で配布される「実験レシピ集」の
執筆に関するものです。 公式レシピ集の該当部分です。
http://www.kagakunosaiten.jp/convention/pdf/2011/063.pdf

今年も7月28日、29日に開催されます。
http://www.kagakunosaiten.jp/

私は28日のみブースに居る予定です。
昨年のJARL東京都支部のブースの様子は
http://www.jarl-tokyo.com/2011saiten/2011saiten.html

ブースで配布した実験レシピは
http://www.jarl-tokyo.com/2011saiten/saiten.doc

です。

これをもとにした中国語版、韓国語版を今年も用意します。
翻訳はJARL東京都支部役員のうち、韓国語が得意な方と中国語が得意な方が
担当します。

日本語版は JH1LWP島田 JARL東京都支部長の依頼で私が執筆しました。
昨年の修正依頼は島田支部長経由で科学の祭典の実行委員会の実験レシピ本
編集担当からきたものです。 
昨年の審査者は たぶん 物理学全般がメインの方でしょう。

というのは「電界・電場、磁界・磁場」に関しては
物理屋さんは「電場・磁場」と言う方が多いようですが、
電気屋さん、無線屋さんは「電界・磁界」という方が多いように思います。

今年は昨年と同じ文言のままで、実験で使う機材の絵を微修正(より実物に近づけた)で
OKとなりました。

難解用語シリーズ 3回目 「平衡変調器」

平衡変調器とはSSB送信機に特有のものです。

2個の入力端子のうち信号波入力端子から音声信号、
搬送波入力端子から搬送波を入力すると、

出力端子には搬送波が除去され、上下の側波帯成分のみが出てくる

というものです。

ここで、「平衡」とは バランスのことです。
平衡変調器は、このバランスが完全に取れていると理論通り搬送波成分は
出力されません。逆に故意にバランスを崩すと搬送波が漏れてきます。
(この性質を使ってCW送信をしている機種もあるくらいです)

アマチュア無線用参考書等に載っている平衡変調器の原理構成図を見てください。
(「リング変調器」として載っている場合が多い)
出力側トランスでは搬送波成分が逆位相と逆振幅になって打ち消されるのですが、
この位相と振幅のどちらかが完全に逆になっていないときは、
それに応じて搬送波成分が出力側に漏れてきます。

SSB送信機として使う場合には、出力側に必要な側波帯を通過させるフィルタを
取り付けますが、実際の機器には上側波帯、下側波帯とでは搬送波を3kHz
ずらしている場合があります。
CW送信時にはバランスを崩し、搬送波成分が出力されるようにして、
さらに搬送波周波数を出力側フィルタの中心周波数にしている場合があります。
そうすると フィルタが1個で済むからです。

なお 平衡変調器のうち「リング変調器」は原理上、SSB信号やCW信号の復調にも
使うことができます。

今ではIC化されていますが、20年くらい前は部品店に行くとリング変調器用に
特性が揃ったダイオードの4本セットが売られていたのです。

リング変調器の原理図を参考書等で見ていただければと思いますが、

入力側トランス、出力側トランスのセンタータップが完全にセンターであること。
ダイオード4本の特性が完全に一致していること。

これが両立しないと完全な平衡(バランス)は取れません。
このため、ダイオードメーカーで出荷時に製品のばらつきを測定して、
特性が揃った4本をセットにして売っていたのです。

このころは、もしリング変調器(復調器)が故障した場合、4本のダイオードのうち
1本だけ交換するということはせず、4本とも交換するのが理想だったのです。

というのは

『ダイオードの動作を数式で表すときの「数式」が4本とも揃っていないと、振幅や位相が揃わなくなる』

からです。
(数式については上級ハム用参考書、各級無線通信士用参考書、各級陸上無線技術士
用参考書を参照してください)

と余談は抜きにして、 三、四アマ、特殊無線技士レベルならば

(1) SSB送信機には平衡変調器が必ず在る。

(2) 平衡変調器の出力には搬送波成分は出てこない。

の二点を覚えていればいいでしょう

参考:上級ハムになる本
学生時代の教科書

2012年7月14日 (土)

難解用語解説 2回目 「およそ10分ごとに一度」

難解シリーズ その2

無線局運用規則第三十条(長時間の送信)

無線局は、長時間継続して通報を送信するときは、三十分(アマチユア局にあつては十分)ごとを
標準として適当に「DE」及び自局の呼出符号を送信しなければならない。

注:電話では「DE」は「こちらは」と読み替えます。

巷では

「コールサインを言うのは10分に一度で良い」

と言う方が居ますが、これは正確には

「アマチュア局の場合は、一回の送信時間が連続して10分を超える場合は、
10分に1回を目安に自局のコールサインを送信すること」

なのです。

通常の交信では数十秒ないし長くても数分くらいで相手局と交互に送信受信を続けます。
その場合は厳密には毎回の送信の冒頭には

相互のコールサイン(運用規則第二十九条)もしくは
自局のコールサイン(運用規則第二十三条第二項、運用規則第百二十六条の二)

を送信しなければなりません。

ラグチューに熱が入ってコールサインを言わないのはダメです。 

ちなみに、ラジオ放送局が30分ごとに 放送局名とコールサインを言うのは
運用規則第三十条の規定に従っているからです。
テレビ局の場合にはテレビ画面の隅っこに放送局のロゴを表示している場合が有りますが、
これは放送法も絡んでくるのですが、無線局運用規則第三十条で定める「自局の呼出符号の送信」と見なされています。

参考までに、巷に出回っている、グレーの表紙のアマチュア無線パンフレットの7ページ

「必ず10分間に1回は自分のコールサインをハッキリと言いましょう」

という記述が有る場合は、この部分は誤りです。

平成22年の名古屋で開催されたJARL総会で私が根拠条文の提示を質問しましたが

「『いかなる場合でも10分に一度コールサインを言えばよい』という意味に取られる
この記述は誤りである。増刷時には修正する」

という趣旨の言質を当時の発行団体の専務理事から頂いています。(議事録参照)

無線局運用規則
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S25/S25F30901000017.html

難解部分 解説シリーズ第一回 「非常通信、非常通信業務、非常の場合の無線通信」の違い

国家試験受験、講習会受講などで勉強していて難解であろうと思われる部分を

順次解説していこうと思います。

######

紛らわしい用語シリーズ その一 

非常通信、非常通信業務、非常の場合の無線通信

まず、

(1) 「非常通信業務(電波法施行規則第三条十四号)」
(2) 「非常通信(電波法第五十二条第四号)」
(3) 「非常の場合の無線通信(電波法第七十四条)」

この3つは全く別物です。

アマチュア無線家の中には「非常時には無資格者でも運用してOK」と考えている方が居ますが、
これは「電波法施行規則第三十三条の二 第一項 第2号」を根拠にしているようです。

>>二 非常通信業務を行う場合であつて、無線従事者を無線設備の操作に充てることができないとき、
>>  又は主任無線従事者を無線設備の操作の監督に充てることができないとき。

ところが、上記の考えは誤りで、
「アマチュア局は非常時といえども無資格者の操作はできない」
のです。

以下 解説します。

1 「非常通信業務」を行うには、無線局(アマチュア局だけに限らず、すべての無線局が該当)免許状の
  「無線局の目的」の欄に

 

  「非常通信業務」

 

  の記載が必須です。

2  記載が無いのならば、無線局の種別にかかわらず、たとえ非常時といえども無資格者の操作
  (主任無線従事者の監督下に行う場合を除いて)違法です。
  記載がある無線局は実状として

  「非常局(電波法施行規則第四条二十一号)」

  だけです。

3 「非常通信業務」とは、

  「無線局が、本来の業務ではない(目的外通信である)非常通信を行うべき事態になった時に、
  『非常通信と同じ内容の通信を通常業務として行う』通信」

  をする業務をいいますし、

  「非常局」は電波法施行規則第四条二十一号により「非常通信業務のみを行う無線局」ですので
 いわゆる「プロの無線局」として「無線従事者選任届」により従事する無線従事者を届け出なければなりません。

  なお「非常通信業務」の場合には「有線通信(携帯電話含む)の状態」は問われませんが
  「非常通信」の場合は「有線通信が使えないか著しく困難であること」という条件があります。

4  非常局を運用するような事態になった場合には
   「その非常局に選任された無線従事者の到着を待つよりも、非常通信に該当する通信をすることが先」
  という発想から「電波法施行規則第三十三条の二 第二項」が規定されています。

5 「非常の場合の無線通信」は総務大臣の命令で行う通信で、
  その条件は『有線通信の状態を除いて「非常通信」で実施するものと同じ』ですが、
  無線従事者が直接行う場合と、主任無線従事者の監督の下で無資格者が行う場合
  以外では行うことが出来ません。

  また、「総務大臣がその必要があると判断したとき」には、アマチュア局でも命ぜられる
  場合が有りますが、アマチュア局に対して命令されたことは戦後の電波法令上ありません。

6  アマチュア局の場合はアマチュア業務を目的としてのみ開設することができます。
  (少し前まで、アマチュア局が行う月面反射通信やアマチュア業務用人工衛星を使う通信は
  「宇宙無線通信業務」とされていましたが、今はアマチュア業務の一つとされています)

  ですので、アマチュア局の無線局免許状の無線局の目的欄に

  「アマチュア業務」と「非常通信業務」

  が併記されている例はありません。
  「非常通信業務」の記載が認められるのは「本来ならば目的外通信で行うべき非常通信を
  通常業務として行う場合」であり、もっと判りやすく言うならば

  「非常通信を目的として開設する無線局」ならば、無線局の目的欄に「非常通信業務」
  が記載されます。

7 電波法施行規則第三十三条の二 第二項は
  電波法第三十九条(無線設備の操作)を受けて規定されています。
  ところが電波法第三十九条ではアマチュア局は除外されていますので、

 

  「電波法施行規則第三十三条の二 第二項」もアマチュア局には適用できない

 

  のです。

8 電波法第三十九条の十三(アマチュア無線局の無線設備の操作)により
  アマチュア局の操作は無線従事者(外国における類似資格で告示されたものを含む)でなければ
  行うことができません。
  主任無線従事者制度はアマチュア局には適用できません。
  唯一の例外は平成14年総務省告示第154号により、
  アリススクールコンタクトで国際宇宙ステーションとの交信で、
  「連絡設定、終了以外の通信に限り、プレストークスイッチのオンオフのみの限定」で
  アマチュア局を操作できる無線従事者資格を持たない小中学生が行うことができます。

  つまり「国際宇宙ステーションに滞在する、「アメリカのアマチュア局を操作できる資格を持つ宇宙飛行士」に
  質問を送話(送信)するためのプレストークスイッチのオンと、
  質問の送話(送信)終了時のプレストークスイッチオフの操作とその相互間の送話受話のみ」が無資格者でもできるのです。
  しかも正式に「アリススクールコンタクト」として認められ、かつ臨時に設置する社団局
  の無線設備に限られています。

9 参考

  電波法
  http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S25/S25HO131.html

  電波法施行規則
  http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S25/S25F30901000014.html

  アリススクールコンタクト
  http://www.jarl.or.jp/ariss/rinji.doc

  総務省資料
  http://www.tele.soumu.go.jp/resource/j/hijyo/2-3-2.pdf

 

#####

この件 関係各方面の意見をお伺いした上で、なるべく判りやすく書いたつもりです。

2012年7月10日 (火)

パブコメ 意見提出

アマチュア局の免許制度を含めて数項目に関して意見を提出しました。

私の周囲でも アマチュア局の免許手続きに関して意見を出した方が何人か居ます。

ここで、いわゆる「アマチュア局の無線局免許の包括免許」に関しては
理想は米国式の「無線従事者の操作範囲すべて」でしょう。
「指定事項のうち電波型式、周波数、空中線電力を免許人の所持資格の範囲とする」
という方式です。これを願う方は多いと思います。

ところで、原案では「一定の条件の下に」とあるので、

空中線電力50ワット以下もしくは200ワット以下

を条件として検討されるかもしれないですね。

その根拠は無線局開設根本基準により

「移動するアマチュア局の空中線電力は50ワット以下」であることや、

空中線電力200ワット以下のアマチュア局に適用される、

TSSの保証を受けると落成検査が省略される方式(無線局免許手続規則、関連告示)

の改正、手直しでの実現です。

「理想は1アマなら1kWまで包括」ですが、そのためには

「電波障害発生時の対処をどこまでスムースに出来るか」

「無線設備規則に規定する防護指針を免許人が遵守する事をどこまで担保できるか」

に掛かってきそうです。

この辺を踏まえた意見を出しました。

2012年7月 5日 (木)

総務省パブコメ 電波有効利用の促進に関する検討会 中間とりまとめ(案)」に対する意見募集

電波有効利用の促進に関する検討会 中間とりまとめ(案)」に対する意見募集
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban09_02000061.html

電波有効利用を促進する柔軟な無線局運用h
ttp://www.soumu.go.jp/main_content/000166886.pdf

部分抜粋

なお、東日本大震災では、アマチュア無線が有効に活用され、その意義が改め
て見直された。アマチュア無線局については、複数の周波数帯が使用可能である
が、それぞれ使用する帯域を増やすごとに、利用する周波数の追加や空中線電力
の変更申請が必要であり、アマチュア無線の利用者からは、負担軽減のために手
続の簡素化の要望が出ている。
これに応えるため、アマチュア無線については、無線従事者資格に応じて一定
の範囲の周波数、出力等の変更を簡易な手続で可能とすることについて検討する
必要がある。

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いわゆる「包括免許」実現に向けての意見も対象のようです。

締め切り 平成24 年7月31 日(火)正午(必着)

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